働く人の法律基礎知識 ①
労働組合法について 書記次長 大浜和明
私達は、管理職ユニオン・関西という労働組合に自分の意志で加入し、闘い(一人一人概念は異なると思うが)を進めている。だが、毎日ユニオンに相談に訪れる人たち(千差万別)に接していると「どうしてそうなんだろう?」という疑問と、ほんの少しだけ知識があればもっと有効な考え方ができるのにと残念に思うことがよくある。そこで、既に知っている人には目障りになるかもしれないが、あえて表記の題で気が付いたことを少しずつ述べていきたいと思う。
まず私たちの憲法で基本的概念を次のように述べている。
憲法第25条(生存権、国の生存権保障義務)
1. すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2. 国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上に努めなければならない。
憲法第27条(勤労の権利・義務、勤労条件の基準、児童酷使の禁止)
1. すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。
2. 賃金、終業時間、休息、その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。 ⇒労働基準法
3. 児童は、これを酷使してはならない。⇒児童福祉法他
憲法第28条(勤労者の団結権・団体交渉権その他の団体行動権)
1.
勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。 ⇒労働組合法
この憲法の精神にもとずいてこれから学ぼうとする法律があるので、労働組合に集うつわもの達には忘れてはならない条文である。
次に労働条件を決定する上(労使関係)で優先順位が決まっている
上位から① 労働基準法 ②労働協約 ③就業規則 ④労働契約という順で
労基法では最低基準が決められており、この基準を下回るいかなる取り決めも労基法違反ということで法的には無効となる。
労働組合法
第1条(目的)
目的では憲法27条をより具体的にしているが、特に第2項を注目したい。それは、団体行動を行ってある程度会社に被害0が出たとしても刑法35条の(正当行為)法令または正当の業務に因り為したる行為はこれを罰せず。という規定が適用されると明記してある。(ただし暴力行為はいかなる場合も許されない)。
第1条 この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進す ることにより労働者の地位を向上させること、 労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出 することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること 並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するた めの団体交渉をすること及びその手続を助成すること を目的とする。
2 刑法(明治40年法律第45号)第35条の規定は、労働組合の団体交渉その他の行為であつて前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて適用があるものとする。但し、いかなる場合においても、暴力の行使は、労働組合の正当な行為と解釈されてはならない。
第2条(労働組合)
第2条では自主的に組織され、労働条件維持改善その他の経済的地位の向上を図ることを主たる目的にしなければならないと規定。
第2条 この法律で「労働組合」とは、労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう。但し、左の各号の一に該当するものは、この限りでない。
1.役員、雇入解雇昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者、使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接にてい触する監督的地位にある労働者その他使用者の利益を代表する者の参加を許すもの
2.団体の運営のための経費の支出につき使用者の経理上の援助を受けるもの。但し、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、且つ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。
3.共済事業その他福利事業のみを目的とするもの。
4.主として政治運動又は社会運動を目的とするも
第5条(労働組合として設立されたものの取扱)
第5条では規約の民主的運営が義務化され、そのための要綱が第2項で概略9項目について述べられている。
第5条 労働組合は、労働委員会に証拠を提出して第2条及び第2項の規定に適合することを立証しなければ、この法律に規定する手続に参与する資格を有せず、且つ、この法律に規定する救済を与えられない。但し、第7条第1号の規定に基く個々の労働者に対する保護を否定する趣旨に解釈されるべきではない
2 労働組合の規約には、左の各号に掲げる規定を含まなければならない。
1.名称
2.主たる事務所の所在地
3.連合団体である労働組合以外の労働組合(以下「単位労働組合」という。)の組合員は、その労働組合のすべての問題に参与する権利及び均等の取扱を受ける権利を有すること。
4.何人も、いかなる場合においても、人種、宗教、性別、門地又は身分によつて組合員たる資格を奪われないこと。
5.単位労働組合にあつては、その役員は、組合員の直接無記名投票により選挙されること、及び連合団体である労働組合又は全国的規模をもつ労働組合にあつては、その役員は、単位労働組合の組合員又はその組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票により選挙されること。
6.総会は、少くとも毎年一回開催すること。
7.すべての財源及び使途、主要な寄附者の氏名並びに現在の経理状況を示す会計報告は、組合員によつて委嘱された職業的に資格がある会計監査人による正確であることの証明書とともに、少くとも毎年一回組合員に公表されること。
8.同盟罷業は、組合員又は組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票の過半数による決定を経なければ開始しないこと。
9.単位労働組合にあつては、その規約は、組合員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改正しないこと、及び連合団体である労働組合又は全国的規模をもつ労働組合にあつては、その規約は、単位労働組合の組合員又はその組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改正しないこと。
第7条(不当労働行為)
労組法の基本的知識はこの第5条まで理解があれば入門が許可(?)される。それでは、法律で許されているならば問題が起こらないと考えるのが当然なのだが、しかし、労働組合に入会しようとすると問題が大きくなるのが私たちの社会である。これにより、利害が存する勢力からは当然にも妨害その他の圧力が加わる。そして何よりも残念なのは、当然利益を得る働く側の尻込みが始まり、理解できない人は攻撃の側に加わるような現象がしばしば現れる。そこで、労働組合活動を進める上で不当な攻撃を許さない条項として第7条で不当労働行為を定め、使用者の労働組合に対する禁止行為を明記している。そして、この不当労働行為を審査する機関として労働委員会の設置を定めている。
第7条 使用者は、左の各号に掲げる行為をしてはならない。
1.労働者が労働組合の組合員であること、
労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱をすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。但し、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。
2.使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと。
3.労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること、又は労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること。但し、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、且つ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。
4.労働者が労働委員会に対し使用者がこの条の規定に違反した旨の申立をしたこと
若しくは中央労働委員会に対し第27条第4項の規定による命令に対する再審査の申立をしたこと又は労働委員会がこれらの申立に係る調査若しくは審問をし、若しくは労働関係調整法(昭和21年法律第25号)による労働争議の調整をする場合に労働者が証拠を提示し、若しくは発言をしたことを理由として、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱をすること。
第14条(労働協約 の効力の発生)
第14条 労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名し、又は記名押印することによつてその効力を生ずる。
という条文を紹介して働く人の法律基礎知識 ②へ続く。 >>戻る

