エルラインに未払い賃金を支払わせよう! 連帯ユニオン関西ゼネラル支部

エルラインで働くドライバーの皆さん! 私たちは連帯ユニオン関西ゼネラル支部です。私達は、昨年の8月から、組合員Hさんに対する未払い賃金の支払いについて、会社と交渉してきました。しかし、会社は未払い賃金があることを認めながら、いつまでたっても具体的な金額を示しませんでした。そこで、今年の2019年2月21日、Hさんは労働審判の申立てを行いました。Hさんの請求額は、178万6436円とその遅延損害金です。
Hさんの未払い残業代の問題は、皆さんにも深く関係しているし、また、関心も高いのではないかと思います。そこで労働審判での争点等を簡単に紹介させていただきます。

①「固定残業」

皆さんも給与明細をご覧になれば、「固定残業」という意味不明の手当が書いてあると思います。エルラインの賃金規定(改定前のもの)を見れば、「ドライバーを対象に、一賃金計算期間(1ヵ月)に支給する所定外配送手当、所定外構内作業手当、早朝手当と、第31条に定める計算式により算出した残業手当を比較し不足が生じている場合において当該不足分に充当する手当として支給する。」「金額は、30%割増賃金35事案相当額とし、毎月定額にて支給する」とされています。しかし、皆さんも、こんな賃金規程等見たこともないでしょう。また、「固定残業」が残業代の一部として払われていた等と思っていた人もいないと思います。団体交渉においては、会社も「固定残業」を残業代として支払っているという認識はないと言っていました。そして、「固定残業」≠残業代の一部であるからこそ、会社は残業代の未払いがあると認めたのです。
ところが、会社は労働審判ではこの主張を覆してきました。「固定残業」を残業代として払っていなかったことは事実だけど、それは「誤って、計算した」等と言い始めたのです。つまり、会社はこれまで残業代を、「固定残業」として支払った上に、普通に計算して払ってきたのだから、いわば二重払いしてきたというわけです。会社の言うとおりであれば、おそらく「未払い賃金はない」ということになると思います。それどころか、理屈だけで言えば、これまで払い過ぎてきた分について「不当利得」だから返せと言うことすら可能です。
皆さんも、会社から未払い賃金の支払いについて何らかの話を聞いていると思います。ですので、会社の主張には是非注意を払ってください。こんな主張がまかり通れば、皆さんに対する未払い賃金の支払い問題もどうなるか分かりません!

②労働時間

会社は労働審判で、「出勤時間を指示していた」、「出勤時間どおりに出勤するよう指示した上で、指示した出勤時間より早い時間に出勤したとしても、指示した出勤時間からしか残超手当の計算を行わないと注意した」、「指示された出勤時間より早い時間に出勤することを禁止していた」と主張しています。皆さん、会社から出勤時間を具体的に指示されましたか? 出勤時間が早すぎると注意されたことはありますか?
実際Hさんは、会社が指示したとしている出勤時間より30分程度早く出勤していましたが、注意されたことなどなかったと言っています。それどころか、出勤してすぐ管理者等のアルコールチェックを受け、トラックに乗車していました。そのことはHさんのタイムカードとドライブレコーダーの記録を照らし合わせれば明白です。みなさんも、同じじゃないでしょうか? 会社の言っていることと、Hさんの言っていることのどちらが正しいのか、皆さんなら良く分かると思います。
1日30分程度のサービス残業・・・たかが、30分と考えないでください。Hさんの1時間当たりの賃金は、組合の計算では1,575円。割増率は1.3なので、残業1時間当たりの賃金は1,575円×1.3=2047円。毎日30分サービス残業をして、月26日出勤したとすれば、1ヵ月のサービス残業時間は13時間。未払い賃金は、2047円×13時間=26,611円にもなります。2年間だと、26,611円×24か月=63万8664円です。Hさんは、そんなことは無かったと言っています。何のどちらが本当でしょう?
会社の主張がまかり通れば、未払い賃金額は大幅に減ります。

③その他

この他にも、労働審判では時効の問題や変形労働時間制適用の可否等色々な争いがありますが、大きな争点は上記の通りです。これからも、労働審判の推移等については、その都度お知らせしていきますので、是非ご注目ください!
≪Hさんから一言≫4月10日に労働審判の第1回目がありました。私は弁護士を立てていなかったので、最初は不安もありましたが、裁判官の話を聞いているうちに気持ちが落ち着きました。裁判官の質問や受け答えを聞いていて、私に不利と思われることは何もありませんでした。
裁判官が主に聞いてきたのは、請求金額についてどれくらいまでなら譲歩できるかということでした。私は「法律で定められている時効がある以上、長い間会社に騙されていたので納得はできませんが、時効の分は仕方がないと思っています。それ以上は不当な請求をしているつもりはないので、譲歩はできません。」と答えました。裁判官は「分かりました」と答えました。それ以降も、裁判官は私に「金額をもっと譲歩しろ」と言ってくることはなく、会社側を説得しているようでした。

≪次回労働審判期日≫ 6月3日(月)15時30分~ 大阪地方裁判所8階 第5民事部
労働審判申立書 → roudousinpan20190221.pdf
会社答弁 → toubensyo20190401.pdf

「光明池土地改良区」による、刑事弾圧と懲戒解雇を絶対に許さない!

≪経緯≫

発端は、光明池土地改良区の職員であるAさんの降任(降格)問題です。この件について2016年夏以来団体交渉を継続してきましたが、まだ決着はついていません。また、Aさんはここ数年給料を据え置きにされていたことから、2017年の春闘では賃上げ要求をしていました。この他、光明池土地改良区が退職金規定を改定してきたため、元に戻させる団体交渉を予定していました。
ところが、その最中、光明池土地改良区は、組合やAさんに隠れて、Aさんを業務上横領を理由に刑事告訴していたのです。Aさんには全く身に覚えのないことでした。光明池土地改良区が刑事告訴した結果、2017年3月2日、Aさんの自宅に警察による家宅捜索が入りました。そして光明池土地改良区は警察の捜査が継続中で何の結論も出ていないにも関わらず、上記容疑及び組合の要請活動への参加を理由に、5月30日付けで懲戒解雇をしたのです。刑事告訴については、今年9月に不起訴になっています。

≪抗議行動≫

光明池土地改良区のやり方に対して、組合としては地域の人達に実情を伝えて行きたいと考えています。Aさんの自宅に家宅捜索が入った後の3月17日には、和泉市北部リージョンセンターで行われた光明池土地改良区の総代会(株式会社で言えば株主総会に当たるもの)に合わせて、要請行動を展開した他、4月18日には法人事務所で行われた理事会に向けて要請行動を行いました。また、5月11日には法人主催の「光明池土地改良区神社祭」が開催されましたが、その際にも参加者に向けて情宣活動をしました。この他、6月1日に和泉市役所前、6月9日に高石市役所前、6月22日に和泉市役所前、7月12日に堺市役所前で街宣行動を行い、8月1日には法人事務所付近でも街宣行動を展開しました。また地域の市民に向けたビラのポスティングも合わせて行っています。

≪7月16日に集会・デモ決行≫

2017年7月16日、和泉市内で光明池土地改良区及びその代表者である若林理事長に対する抗議の集会とデモを決行しました。冒頭の写真がデモの様子です。当日は、関西ユニオン、北大阪合同労組、連帯ユニオン関西クラフト支部、なにわユニオン、サポートユニオンWithYou、きょうとユニオン、なかまユニオン、おんな労働組合、自治労公共サービスユニオン、大阪全労協等多数の組合にも支援に駆けつけていただきました。午後1時に自衛隊基地の隣にある和泉市の前奈池公園に集合。主催者からの経緯説明と当該Yさんの挨拶の後、支援に駆けつけていただいた各労組から応援のアピールをいただき、1時40分頃に伯方宮前公園に移動。そこからのデモ出発となりました。30分ほどの短いデモでしたが、迫力もあり、和泉市民に対して力強くアピールできました。

≪地位確認裁判≫

2017年6月21日、Aさんの従業員としての地位確認を求めて、大阪地方裁判所堺支部に提訴しました。こんな懲戒解雇が認められるはずはないと思っています。多少時間はかかると思いますが、Aさんも解雇撤回の勝利まで闘う意思を固めています。組合も全力で応援します。第1回目の公判が8月8日、第2回目が10月3日、これからの裁判闘争に組合員の皆さんにも是非傍聴をお願いいたします。

≪闘いはこれから! 今後ともご支援お願いします!≫

闘いは、山あり谷ありが続くと思います。組合としては、Yさんの懲戒解雇の撤回と職場復帰まで、一緒に闘って行きます。光明池土地改良区は公共団体ですから、和泉市、堺市、高石市、泉大津市からも協力費という形で税金が投入されています。ですので、関係各市や市議会等にも働きかけを行っていくつもりです。宣伝活動も継続していくつもりです。Yさんの生活を根こそぎ破壊した光明池土地改良区若林理事長を絶対に許しません。組合員の皆さん、そして他労組の皆さんも、是非ご協力お願いいたします。光明池土地改良区で働く方々にも事の成り行き、事実を訴え、支援をお願いしていきます。ご支援をお願いします。             2017年11月14日記

但馬屋食品八鹿工場が2月末で閉鎖!但馬屋食品争議へのご協力を!

但馬屋食品㈱は、本社が兵庫県伊丹市、工場が伊丹市、八鹿、朝来にある。豆腐をはじめとする大豆製品の製造・販売をしている会社だが、現在管理職ユニオン・関西の組合員が9名いる。組合としての基本的な要求は、①未払い残業代の支払い、②月200時間を超えるような極端な長時間労働の改善、③基本給のアップ等である。これに対し、会社はこれまで組合潰しに奔走し、不当労働行為を連発してきた。現在対立は頂点に達しつつある。

●不当労働行為のオンパレード

但馬屋食品での組合作りは、一人の組合加入から始まった。八鹿工場と朝来工場の工場長を兼務していた部長の加入である。当時長時間労働と社長のパワハラ等が原因でうつ病を発症し、休職中であった。この人が管理職ユニオン・関西に相談に来て、加入したのである。組合では、職場の状況などを聞き取りしたが、基本給は安く、繁忙期には月400時間にも及ぶ長時間労働をしているとのこと。残業代の未払いもあって、不満が鬱積しているということだった。そこで、組合はこの人に他の従業員にも組合加入を呼びかけるように勧めた。その結果、この人の呼びかけで数人が組合に加入することになったのである。これに対し、会社はこの人に私立探偵を付けて身辺調査をやってきたのである。あら捜しをして追い出すつもりだったに違いない。
こうしたことがあったが、組合員は徐々に拡大していった。そして、8月初頭には、八鹿工場で6名、朝来工場で2名が組合に加入した。休職中の1名と合わせて合計9名となったのである。なかでも、八鹿工場では従業員20名程度の内、6名が組合員となったので、相当な影響力を持つことができた。これに対し、会社は昨年7月~8月頃、八鹿工場のあちこちに監視カメラを設置した。監視カメラは通常外部の不審者の出入り等をチェックするために設置するものだと思うが、従業員が雑談する休憩場所を狙い撃ちにする位置に設置したのである。また、事務を行っている組合員の真後ろにも設置し、パソコンの画面を逐一チェックできるようにもした。(露骨に組合員をターゲットにした監視カメラについては、組合の抗議により後に撤去)
また、会社は昨年7月末から8月初頭にかけて、アドバイザーと称する人物を八鹿工場や朝来工場に出入りさせ、従業員を個別に呼び出しては組合や組合員らに対する誹謗中傷を繰り返した。なお、これについては組合員の一人が録音を取っていたので、直ちに支配介入として大阪府労働委員会に救済申立てを行った。労働委員会では、つい先日証人尋問も終わり、4月に最終陳述書提出となっている。録音記録もあることからまず勝利は間違いないと考えている。さらに、会社は昨年9月頃から、八鹿工場の商品を次々と打ち切ったり、外注に出すなどしてきた。そのため、八鹿工場では残業が全くなくなった。組合員らの手取り額は、残業がなければ15万~16万程度である。従来は残業代を10万~15万ほど稼いで何とか生活してきた。残業代が全く入らなくなると、途端に生活に行き詰ることになる。残業代が無くなっただけではない。昨年の冬季賞与は、支給時期が遅れただけでなく、金額も前年度の7割程度に減らされた。会社は組合員らを日干しにしてきたのである。組合員らはそれでも我慢して働き続けたが、今年1月からは工場に行ってもほとんど仕事がなく、掃除や整理等をして時間を過ごすような状態になっていた。
こうした状況に対し、組合は何とか団体交渉を通じて要求の実現や労使関係の正常化を図ろうとしてきた。しかし、会社は、弁護士を次から次にと取り替え、その度に団体交渉での約束を反故にしてきた。最初の弁護士は阪口祐康という大阪の弁護士。これは最初から喧嘩腰の対応をしてきて、病気休職中の組合員に対して仮病扱いしたり、懲戒解雇されたくなかったら残業代請求を放棄せよなどと放言する輩であった。この弁護士は、8月頃に解任。理由は定かではないが、どうもストライキの噂が流れたため、会社が危機感を覚えて解任したようである。その次に出てきたのが、山田長正弁護士。これも大阪の弁護士である。この弁護士は一応組合ときちんと向き合って交渉を通じて労使紛争を解決していくべきという立場のようだった。昨年9月と10月に八鹿や朝来の近辺で団体交渉を実施し、いったんは交渉が進展する期待が持てたのだが、昨年10月に突然辞任した。おそらく組合に妥協しすぎるということで、事実上解任されたのではないかと思う。そして、3番目の弁護士が、畑中鐡丸・伊藤敬洋という弁護士。これは東京の弁護士だ。会社がなぜわざわざ東京の弁護士に委任したのかは不明だが、汚れきった紛争なので、大阪では引き受けてくれる弁護士がいなかったのかもしれない。畑中・伊藤は、のっけから前任の山田が担当していた時の団体交渉での合意をことごとく反故にしてきた。そして、団体交渉は大阪市内か伊丹市内でなければ応じないという対応。組合員らが伊丹市内や大阪市内まで出てくるには、車で高速を飛ばしても2時間はかかる。また、くだらない揚げ足取りを行い、交渉を先延ばしにして、文書合戦に持ち込むというやり方。結局、畑中・伊藤が出てきて以降、団体交渉は全く開けていない。こうした汚いやり方に対しては、先日、事実上の団交拒否として、大阪府労働委員会に救済申立てを行ったところである。
そうした中、今年2月9日、八鹿工場に突然張り紙がされた。内容は、八鹿工場を2月末で閉鎖するというもの。昨年12月末には、専務から工場閉鎖はないとの説明があり、その後も会社からは一切説明はなかった。ところが、突然工場閉鎖の張り紙がされていたのである。また、同時に希望退職30名を募るとの張り紙もされていた。応じた場合の上乗せ条件というのは、未消化の有給休暇の買い取りだけ。事実上上乗せゼロだから、単に黙って辞めて行けというに等しい。組合では、会社は八鹿工場閉鎖を理由に組合員をターゲットにして整理解雇を強行しようと考えていたのではないかと推測している。そのための形作りのために、希望退職募集を取ってつけたように始めたのではないか。しかし、会社は一方で、朝来工場では求人を続けている。ハローワークに求人を出しているだけでなく、新聞の折り込みチラシでも求人を続けているのである。まったくちぐはぐなやり方であり、仮に整理解雇を強行してきたとしても、裁判で争えばまず負けることはないだろう。
以上、まさに不当労働行為のオンパレードという状態である。

●徹底抗戦を行う

(1)抗議行動等

先述のように、三番目の弁護士として畑中・伊藤が出てくるようになって以降、会社はそれまでの団体交渉での合意をことごとく反故にし、団体交渉にも応じていない。これに対し、組合は昨年11月22日から24日の3日間連続で街宣行動を行った。本社前や八鹿工場前で抗議行動を行うとともに、取引先への要請行動も行った。また、他組合の協力も仰ぎ、他組合から一斉に要請のファックスを会社に送付してもらった。今後も、会社の対応次第では抗議行動を再開することを検討している。その際には、是非ご協力お願いしたい。
こうした直接行動と合わせて、会社の無茶苦茶な対応について広く訴えるためにブログの作成と拡散も検討しており、その筋に詳しい組合員に相談していること頃である。この他、懇意にしているマスコミにも相談しており、記事に取り上げてもらえないか検討してもらっている。

(2)労働委員会闘争

こうした会社のやり方に対し、組合としては徹底抗戦するつもりである。会社の不当労働行為に対しては、これまでに3本の不当労働行為救済申立てを行ってきた。一つ目は、中心となっている組合員に私立探偵を付けて身辺調査をさせたことについて不利益取扱として大阪府労働委員会に救済申立て。二つ目は、アドバイザーと称する人物が従業員を個別に呼び出して組合や組合員を誹謗中傷したことに対して支配介入として大阪府労働委員会に救済申立て。三つ目は、3番目の弁護士である畑中・伊藤が出てきて以降、開催場所等に固執して事実上の団交拒否を続けていることについて、大阪府労働委員会に救済申立てを行った。この内一つ目と二つ目は併合事件となっているが、先述の通り証人尋問も終わって、この7月までには命令が出ると思われる。三つ目はまだ始まったばかりであり、これから長期の闘いとなる。
この他、組合員が集中している八鹿工場で残業を全くなくしたことや工場閉鎖を強行したことについても救済申立てを検討している。もっとも、会社が整理解雇を強行してきた場合には、労働委員会への救済申立てではなく、裁判で争うことになると思うので、現在は会社の出方を見ているところである。
また、後述するが、八鹿工場で結成された社内の労働組合も、会社が不誠実な対応を取り続ける場合には、兵庫県労働委員会に救済の申し立てをすることを検討している。

以上合わせれば、大阪と兵庫で合計4件ないし5件の不当労働行為救済申立てを行うことになる。

(3)裁判闘争

未払い残業代については、交渉すら持てない状況が続いてきたことから、一部時効消滅するおそれすら出てきた。現在の会社の対応を見る限り、交渉で早急に解決することは見込めない。こうした状況を踏まえ、組合としては裁判で解決する方向で動いている。現在提訴準備を進めており、また裁判が始まったらその状況は随時報告させていただく。
また、八鹿工場閉鎖にともない、会社が組合員をターゲットとした整理解雇を強行してきた場合には、即対応できるように準備をしており、すでに弁護士にも相談しているところである。

(4)社内組合の結成と団体交渉実施

先述のように、八鹿工場では昨年秋から生産がどんどん減らされ、今年に入ってからは出勤してもほとんど仕事がないという状況にまで至った。八鹿工場の従業員らはこうした状況に不安を覚え、今年1月但馬屋食品八鹿工場労働組合を結成した。聞いている話では、同工場20名程のところで、10数名が加入。過半数を超えたわけである。管理職ユニオン・関西としてもこうした動きをバックアップしたのはもちろんであって、現在両組合は緊密に協力し合っている。
なお、社内組合の結成通知の直後というタイミングで、八鹿工場閉鎖を通知する紙が張り出された。生産減少と工場閉鎖について、社内組合は団体交渉を申し入れたが、会社はここでも畑中・伊藤を代理人に立て、大阪市内か伊丹市内でしか団体交渉に応じないと言ってきた。こうしたやり方で団体交渉開催を遅延したり拒否したりしているのだろう。
社内組合は怒り心頭という状況だったが、ともかくも早期に交渉を持つために、さしあたり伊丹市内での団体交渉開催に応じることとし、2月17日に第1回目の団体交渉が開催された。この時代理人として出てきた畑中・伊藤は喧嘩腰で、録音するなら団交できない等とのっけからごねまくる始末であった。ともあれ、何とか交渉を開始し、社内組合は、八鹿工場閉鎖の理由を質すために会社の財務諸表等の提供を要求。また、八鹿工場閉鎖後の処遇について全く何も決まっていない状態だったので、これについても具体的回答を求めた。しかし、代理人の畑中・伊藤は、全て持ち帰って検討するとの対応。会社側からは管理職も出席していたが、実際には何の権限持たない面々であり、団交では終始沈黙。結局、この日は宿題を出す形で終了した。
そして、2月28日に第2回目の団体交渉。社内組合は交渉に先立って資料の提供や質問事項への回答を求めたが、会社は結局のところ無回答。そうした状態で、交渉が始まった。会社の説明は、①八鹿工場は2月末で閉鎖するが、3月6日までは八鹿工場所属の社員は現状維持とする、②八鹿工場所属の社員は基本的に朝来工場に配置転換する方向で考えており、3月6日に八鹿工場にて朝来工場での勤務の具体的内容について説明する、というもの。これに対して、社内組合は引き続き財務諸表の提供を要求するとともに、通勤費の見直し等を要求した。

●今後について

まだ確実ではないものの、組合員が朝来工場に配置転換されるのならば、逆にやりやすい面もある。朝来工場でさらに組合員を増やし、生産をコントロールできるところまでくれば、労働組合にとって伝家の宝刀であるストライキ権も効力を発揮できるだろう。先行きは予断を許さない状況だが、整理解雇を断念させ、朝来工場勤務となれば一歩前進である。場合によっては、一部の組合員が本社に配置転換される可能性もある。当該組合員にとっては厳しい話だが、逆に本社での組織拡大に向けた足がかりができるということでもある。現在はいばらの道であることは確かだが、逆に八鹿工場から朝来工場や本社に組織拡大するチャンスだと捉え、前向きに進んでいければと考えている。
もちろん、これは攻防であって、思い通りにいくかどうかは分からない。ただ、会社も決して思い通りにできているわけではないだろう。八鹿工場での生産を減らして組合員を日干しにしたのに、誰一人退職しなかった。八鹿工場を閉鎖して、整理解雇で追い出そうとしたのかもしれないが、それもできなかった。だとすれば、会社も行き当たりばったりでやって、思惑が外れまくっているということだ。もちろん、会社が実際どのように考えているかは、推測しかできない。しかし、事態が会社の思惑通り進んでいるとは到底考えられないのである。
現状は、組合も会社も先が見通せない。そんな中で、組合員らは経済的にも精神的にも相当大変だと思う。これについては、管理職ユニオン・関西としてもできる限りの支援をしていきたいと思う。その点についても、ご理解いただきたい。                    (2017年3月4日発行、機関誌FACE31号、)

エルライン争議―運輸・業務部長からドライバー特化、すでに6ヶ月!ねらいは、退職に追い込むこと!
初めての抗議行動を経験して感じた事 組合員S

大近本社で行なわれる月に一度の全体会議に行く事は、私にとっても大きなリスクがありました。部長職である立場上、多くの幹部や店長の方々と面識があり、今まで問題無くお付き合いさせて頂いてきましたが、この様な抗議行動は見方によれば、私が親会社を攻撃していると思われます。
それでも農端本部長の独裁的なやり方が原因でここまで大きな問題に発展したのだと、1人でも多くの方に理解して欲しいと思う気持ちが自分自身を守る気持ちを上回り、マイクを持って抗議しました。どんなに思われようが「農端本部長だけは許さない」そんな気持ちになって行きました。組合の皆さんには、平日の昼間にも拘らず私の為に8名も応援頂いて本当に感謝しています。現在職場では完全に孤立し、精神的にも今まで経験した事の無いような気持ちで日々を送っていますが、抗議行動に自分を支援して頂いた多くの人の存在に大きな勇気を頂きました。この気持ちを私は出来る事なら組合の他の方々の支援をする事で恩返しして行きたいと思いました。本当にありがとうございました。

エルライン争議:親会社大近本社前でビラまき抗議行動貫徹!

4月13日午後1時、組合事務所からと直行メンバーと合流し、福島区福島6-10-11のエルラインの親会社大近本社前に総勢9名が登場しました。管理職ユニオン・関西の“のぼり旗”を立て、「㈱大近の中津裕彦社長は、農端博之の暴走を許すな!」「パワハラ行為を直ちにやめ、部長に戻せ!恐怖政治反対!」を見出しとするビラを配布しながら、そしてハンドマイクで訴えました。
この日は、大近の取締役とパントリー&ラッキーの店長が集合する店長会議でした。「管理職ユニオン・関西という一人でも加入できる労働組合です。しばらくの間、お騒がせをします。」といつものようにマイク情宣が始まりました。『管理職であれば、長時間こき使っても残業代がいらないとし、庸車(外注のトラック)費用を減らす。』とする農端本部長の労基法無視、労働者酷使の暴露ビラを配布しました。
上司である農端本部長の言うとおりに忠実に経費削減に取り組んだS組合員を運輸・業務部長の業務を外すことによって、嫌気をさして退職に追い込むというパワハラ行為の早期撤回、謝罪を訴えました。親会社大近の中津社長は、子会社エルラインの取締役でもあることから、中津社長の農端本部長の暴走をやめさせ、謝罪とS組合員への部長業務への復帰決断も訴えました。
またS組合員もマイクを持ち、会議参加の店長や従業員に訴えました。「私が農端本部長さんと一緒に仕事をさせていただいたのはわずかですが、その間多くの方々が様々な被害にあっています。パワハラ行為の揉み消し、うつ病になってしまった人も見てきました。そういった人たちは言い返す事もできないような気の弱い人ばかりです。
自分の失敗を弱者に背負わせ責任を追及する、上がった成果は全て自身の手柄とするようなやり方を見てきました。おそらく、私の改善策も自分の発案であると報告されている事でしょう。また、エルラインの当初はある程度まとまっていましたが、農端本部長が介入するようになり、力と権力を使ってその幹部がバラバラにされてしまいました。今では幹部間のコミュニケーションも、ろくに取れなくなっています。私がラッキーグループの責任者になる前、別の者が責任者をしておりましたが、農端本部長との折り合いが悪く、統括部長に何度もクレームを上げて精神的に追い込み、私と交代させました。その人は真面目にやってきたのに本当に悔しいと、当時は退職を含めた相談も受けました。その人からとにかく気を付けて下さいと言われました。農端本部長の言っている事がすぐに変わる、昨日の命令が今日はまた違う命令に変わる、失敗したらすぐに責任を取らされる。そう言った事に気を付けて下さいと忠告を受けていました。私は今まで被害にあった多くの人とエルラインの将来の為にも、今回の農端本部長のやり方、この行為に対して絶対に泣き寝入りせず最後まで闘っていく思いです。
本日、この様な事になり非常にご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、エルラインで起こっている事情をご理解いただき何卒ご協力頂きたい、そういった気持で参りました。どうぞ宜しくお願いします。」

運輸・業務部長からドライバー特化命令に至るまでの経過

Sさんは、2014年6月以降、エルラインのラッキーグループ(大近担当)の運輸・業務部長(運行管理者)として勤務していました。大近からエルラインのラッキーグループの運賃決定及び請求に関しての決裁は、谷口社長、農端取締役本部長が権限を持っており、その指示のもと業務を行っていました。大近の物流部責任者である農端副部長(エルラインの取締役本部長と兼任)が実質的に決済を行っていました。Sさんは、部長であったが運賃決定・請求関係の権限を一切与えられていませんでした。
その後の、10月29日の月例会議でのことは、Sさんの相談カルテに「10月29日(木)月例会議の際、現行役職と給料は来年2月まで継続するが2月以降は不明と言われ、3日以内にデスクを明け渡しパソコンも返却するように言われ、ドライバーに特化されました。経費削減を課題に取り組んできましたが、何とか達成したところ、何故か、急に経常利益がダメと言われ、全く言い返す言葉がありませんでした。私の業務改善についてだと、後で説明をされましたが(タイムカードの件:サービス残業改善を原資無く行なった事をさす)、何を言っても無駄と思い言い返しませんでした。すべて本部長の農端博之と社長が好き嫌いでおこなった嫌がらせだと思います。」と書かれています。
同日、農端本部長から個別に呼び出され、処遇・役職(降格・減給or退職勧奨)について今期中(2016年2月末まで)といわれ、親会社大近でも問題視されていると脅され、経費を悪化させた原因の一つにS氏が行ったサービス残業改善を原資無く行なった事も原因であると言われました。
また、2016年3月に会社の枚方事業所を閉鎖に当たり、現行部長職の人員削減のリストラを行う旨の発言を受けました。「世間やったら飛ばされる」、「普通やったら降格」と言われ、「業務指示やから別に拒否のしようは無いんや」と命令されたわけです。
何の権限も与えられていない結果の“経常利益”責任を押しかぶせられ、部長業務を取り上げられるパワハラを受け、ドライバーに特化した業務を強制されました。

団体交渉の経過

2015年12月9日、1回目の団体交渉を行いました。組合がS氏の「現行役職・給料は2016年2月以降不明と言われたこと」、「デスク・パソコンを取り上げたこと」、「運輸・業務部長から突然、ドライバーに特化させられたこと」は、労働条件の変更であり不当な業務命令であると主張しました。併せて、ドライバー業務に特化させたことの撤回、元職にただちに戻すことを要求しました。
これに対し、農端本部長は人事案件で無く「業績改善の為の施策」、「業務役割の変更」、と述べるだけでした。組合の「業務命令を撤回せよ」に対して、農端本部長は「業務命令ではない」と繰り返しました。しかし、その根拠を説明しませんでした。
2回目の団体交渉は、2016年1月12日に開催しました。組合は、S氏が「運輸・業務部長から突然、ドライバーに特化させたこと」の理由を、1回目の交渉の続きとして追求しました。「業務命令ではない」としていたのが、「役割変更です。業務命令ですね」に変わったり、否定したりとあいまいな対応でした。S氏をドライバーに特化したことの理由は、庸車廃止(経費節減になる)を補うためということを言っているに過ぎないものでした。S氏は部長であり何時間残業させても、働かせても費用がかからないという考えです。つまり管理職にただ働きを強制することが当たり前とする農端本部長の本音の発言であったのです。S氏へのパワハラとしてドライバーに特化したこと、デスク・パソコンを取り上げたことについて、農端本部長は「パワハラと言う様に認識しておりません」と開き直る始末でした。
第3回を3月18日、「直ちに部長業務に戻せ」の組合要求に対して、農端本部長は「業務改善の為、S氏にドライバー業務をしてもらっている。今の時点では(戻すとか、いつまでとか)何も決まっていない」を繰り返しました。組合は、①元通りに戻せという要求、②戻すまでの会社の行為の責任、③今後の防止策が明確にならないと、この件は終わらないとしました。
第4回を4月5日、農端本部長自身がパワハラの加害者であることとその行為を伝え、組合は加害者と団交はしないから社長か中津取締役の出席を求めていることを主張しました。第5回を4月27日、組合要求「S氏を元に戻せ」の確認をしたが、「何も決めていない」であったので、団体行動権行使の通告をしました。それと、S氏が早朝からのドライバー業務が長期化していること、その結果不眠症となりクリニックに通っている事実を示しました。併せて、組合要求を受け入れないことにより、運転業務中に何かが起こった場合は、会社に責任があると通告をしました。

大阪府労働委員会に不誠実団交で不当労働行為申立て

本年(2016年)2月3日、㈱エルラインに対して行いました。つづいて第2弾として、2月以降も長期にわたってドライバー業務を継続させていることを不利益扱いとして、不当労働行為救済を申立てる!本年5月2日、差別的扱い(1号違反)の不当労働行為として申し立てを行いました。(2016年5月7日発行「FACE」より転載)

追出し部屋での3年間、まだその延長です

(1)始まりは、組合に入る前の出来事ですが、職場で転勤前提の話の中で退職勧奨を受けたことでした。

「あなたの仕事は、社内で探したけど、見つからない」と、上司からまじめな顔で言われました。何の準備もなく、家族の事情もあり拒否しました。数回、上司と話をしましたが、アバウトな回答しかなく、「転勤前提の仕事になる」との回答しかありませんでした。
突然、出向辞令が電子メールに通知され、単身で大阪の電機大手のP社へ赴任しました。そこは畑違いの部署であることに加え、エコポイントの反動で仕事の量が激減する悪い環境の中、慣れない仕事に四苦八苦しました。体調不良にて休みが数日続き、突然、A社都合の出向解除になりました。私と一緒に出向赴任した男性もすでに解除されていました。
電機大手のS社に戻ると人事担当から「貴方に与える仕事は社内にないので、社外になります」と言われ、人材派遣会社(大手R社の関連子会社)の担当者が同席で、「過去と違い事務職の社外出向はやらせない。肉体労働で立ち仕事、単純労働、派遣社員と一緒に働くような現場仕事になる」と言われました。脅迫とも感じられる言葉を受けました。社外の出向先が見つかるまで、いわゆる「追出し部屋」に待機となり、テーブルと内線電話のみの会議室に一人、毎日詰めていました。

(2)2012年11月、人材派遣会社の担当者から、明日C社(S社と全く関係のない会社)での面接を行うとの連絡があり、形式だけの面接に行きました。

この時点で、管理職ユニオン・関西に相談に行きました。
C社は、B印刷会社の子会社で単純な肉体的労働の仕事とのことでした。具体的には、コンビニで販売するおにぎりの賞味期限シールを1個ずつカットし100枚づつ袋づめにして、その繰り返しという立ち作業でした。もともと腰痛をかかえていた上、労働作業環境が最悪な職場に於いて、労災事故で40日も休まざるを得ない状況にも遭遇しました。デスクワークしか経験のない私にとっては、初めての肉体労働で体力的にかなり厳しい状況でした。辞めてしまえばS社の思うつぼと認識し、頑張りました。
また、派遣会社の担当者からの執拗な退職勧奨(脅迫、いやがらせ)を受け、何度も私と雇用契約のある出向元のS社に連絡を取りましたが、無視されました。相談をしていましたが、この事がきっかけで、2013年4月4日に管理職ユニオン・関西に加入したのです。

(3)2013年4月、C社への出向解除、私の業務経歴を生かした適切な職場配置を求め、S社と初めての団体交渉を持ちました。

この3年間で、団体交渉は10回以上行いました。協力いただいた組合員の皆様に本当に感謝しています。
2014年4月、労災のこと、有給休暇取得、作業時にイスを設けることなど職場環境の改善を求めて出向先のC社に団体交渉を申入れました。この申入れは、私のC社からの出向解除へとつながりました。1回だけ団体交渉をもち、4月25日をもって出向解除となりました。

(4)その後、S社人事から、10月20日まで次の出向先が決まるまで本社の会議室で自己研修をするようにと指示されました。

人事は、人材派遣会社を使って新たな出向先を探そうとしましたが、私は、人材派遣会社からの個人情報消去の申し出でを行いました。結果的には、これにより派遣会社と縁が切れました。
2014年5月、追出し部屋での業務提示(出向先を選択するよう指示、嫌がらせ)がありましたが、すべて拒否しました。P社への転籍の案内が示されてからは、これまでの私の職務・経歴を生かした職場を複数提示するようS社にP社も含めて要求しました。

(5)2014年8月、人材活用室は、メールセンターでの社内便仕分け及び集配業務など10の社内業務と出向先を提示してきました。

私は、どれもスキルを活かせるものでないとして断りました。組合も私の後押しをしてくれました。
こうしたやり取りの中で、2014年10月20日、人材活用室は、私にSH社への出向を業務命令とし命じてきました。この会社は、S社の子会社で、観葉植物の販売・レンタルなどを行っている会社ということでした。そこでの営業の仕事の業務命令が出ました。
現在の私の立場ですが、引き続き、追出し部屋の延長にあると思っています。これまで、営業の経験が全く無いのにもかかわらず、何のアドバイスも無く、新規開拓営業の業務命令を受け、「1日40件、新規開拓しなさい。社長指示だ」とそれ以外の説明は無く、こちらからの質問や提案は無視され続けています。少しでも件数(実績)を上げるため、毎日、足を棒に活動しています。

(6)2015年1月、上司のパワハラ(1日40件の新規訪問計画・実行など)で、団体交渉を行いました。

その結果、今まで会議室に度々呼ばれ、理不尽なことを言われていましたが、それは少なくなりました。しかし、1日40件の看板は上がったまま、降ろしません。また、会社の実態は、グループ会社の売上げが殆どであって、グループ会社以外に営業する営業能力が無いのです。そのため、企画・販促・営業・管理といった当たり前の仕事が普通ではなく、驚きの連続です。その後社長が交代となりました。

(7)私は、2015年4月1日付けでS社からP社に転籍になりました。

私の反撃として、組合加入前に年俸を2度下げられていました。この年俸の減額は違法無効として未払い賃金の支払い、「追出し部屋」の不法行為責任の損害賠償を請求する裁判を9月2日に起こしています。これから本格化します2015年11月には、賃金制度における適用等級、夏季賞与の評価などを議題とする団体交渉をもちました。組合側の出席者は、仲村書記長、執行委員2名、組合員4名と私を入れての8名で臨みました。
最後に、体力的に厳しい営業の仕事ですが、現在まで続いているのは管理職ユニオン・関西に加入したこと、さらには、組合員の皆様の応援を受け、団体交渉にて、労働条件・職場環境の改善に取組むべく話し合いを続けているからです。
最終的には、会社に不当配転である事を認めさせ、スキルを活かせる仕事に復帰するまで、粘り強く、組合の応援を受け、頑張る所存です。               組合員 F

不当な降格への闘い   A.M

こんにちは。私の会社は大型ショッピングモールに入店しており服の卸しや販売を行う会社です。私はアパレル販売員としてアルバイトで2006年に入社し2007年に正社員になりました。2008年には店長に昇格しスタッフの育成や商品管理に励んでいました。現在27歳になります。
私が管理職ユニオン関西に相談したきっかけは会社内部の犯罪摘発をしたことにより降格処分を言い渡されたからです。
事件はN店舗のオープンした2010年9月にさかのぼります。オープン後すぐにレジ金2万円が紛失し、10月にはレジ金1万円が紛失しました。2011年2月には棚卸しで約150点の商品マイナスがありました。その後も2011年5月に棚卸しの際に約130点のマイナスがありました。そして何回かレジ金5千円の紛失がありました。
私は上記の件についてあまり詳しく知らされず、2011年11月にN店に転勤を命じられました。私はN店に転勤した初日に「この店では棚卸しのマイナスが何回かあったようですが大丈夫ですか」と上司に聞きましたが、「その原因のスタッフはもういない」と言われ安心して業務をこなしておりました。
しかし私が転勤してから最初の棚卸しが2012年2月2日にあり、その棚卸しで152点の商品マイナスがでました。私は4年間店長をしていたのでこれが異常な数だとすぐに気付き会社に報告しました。
また、2月17日、バックヤードから商品がなくなっていることを発見し上司に報告しました。上司から「かばんチェックをしろ」と言われましたがその後の指示は全くありませんでした。
私はスタッフから「誰かが盗んで売っているのではないか」と意見をもらい、インターネットのオークションサイトを調べました。すると2012年2月下旬にオークションサイトのある出品者から棚卸しのマイナス商品がタグ付き未使用で多量に出ているのを発見しました。その出品者は直筆の画像コメントをアップしており、その字はN店のスタッフのTさんと酷似していました。またコメントアップの時間がTさんの勤務時間と全くかぶりませんでした。私は上司にこのサイトを調べるように何度もお願いし、安心できる環境で働きたいと伝えました。
しかし会社からは、真剣に解決しようとの意志が見受けられませんでした。万引き被害を報告しても会社から「されるほうも悪いから始末書を書け」と言われ、店舗に調査にも来てくれず1ヶ月弱経っても原因は分からないと言われ、解決策がないことに不安になりました。また大量の棚卸誤差から複数犯である可能性も考えスタッフや私に危害を加えられることや、犯罪者が店に出入りできている環境を恐怖に感じました。その間にも盗難は続いており私一人で犯罪を防ぐことができませんでした。3月31日に私は会社に「被害届を出します。」と電話し4月2日に被害届を出しました。
5月15日にTさんが逮捕されました。会社はTさんが逮捕されたことを聞くと私に「被害届を出すなんて聞いてない」やら「まさか本当に被害届を出すとは思っていなかった」と言い出し、最後に常務から「会社から逮捕者が出たことは一切口外するな!」と怒鳴られました。
しかし警察からTさんが会社と示談解決し次の日には釈放され店に来る可能性があると聞き、私はスタッフにTさんが逮捕されたことを伝えました。そしてショッピングモールにもTさんが来たら警備をつけてほしいと言いました。
翌々日に私は上司に3~4時間面談で拘束され、降格・減給と転勤を命じられました。勝手に被害届を出したと言われ始末書の提出も命じられました。そして会社の指示に従わないという判断で解雇せざるを得ない場合があると言われました。
私はどうしたらか良いのか分からずとてもショックでした。休憩時間に話を聞いてくれていた両親から組合のことを教えてもらい電話をしました。電話に相談員のOさんが出てくれ「始末書は書いてはダメです!上司が無理強いに書かせようとするなら組合に相談してからにしますと言いなさい」とアドバイスしてくれ落ち着かせてくれました。
私は、次の休日に組合事務所に行き専従さんと相談員Oさんに話を聞いていただき当日に加入通知を会社に送ってもらいました。その後会社は私に自宅待機を命じ仕事場に行くことを禁じました。第1回の団体交渉後、会社は、スタッフに対する私の事情聴取に問題があったこと、会社の承諾もなく警察に被害届を出したこと、ショッピングモールに会社の承諾もなく、Tさんが逮捕されたことを報告したことを店長の資質に欠くと判断したと回答をしてきました。そして第2回団体交渉では、降格に関しては人事権の一部であり処分ではないと言い切っています。私は、このような、判断に全く納得が出来ません。
また、今回の犯罪に対する対処など事件の経緯について会社は答える義務はないとの一点張りです。
私は他店舗宛に抗議文のビラ配りをしました。8月1日にMさんと尼崎のココエA、イオンモールT、ららぽーとKに行きました。Mさんはショッピングモールの責任者の方々に今後ショッピングモールで犯罪が起こったときに迅速に対応するべきで今回私を処分した会社の対応はおかしいと話をしてくれました。ショッピングセンターの責任者の方は話を聞いてくださり、中には私のした対応が正しいと言っていただくこともあり、とても嬉しかったです。理解してもらい共感してくださる人がいると勇気になります。
私は、この件を同じ会社の人間や多くの人に知ってほしいと思っています。そして今後の対処法や犯罪が起こったときのマニュアルなどができれば良いと思います。私が勤務している会社には労働組合というものを知らない人が多く、私もそうでした。知識なく一人で会社に抗議することは無謀です。しかし不合理があっても従業員が意見できないと会社の向上にもなりません。私は組合に入るまで一人でどうすれば良いのかとずっと悩んで行動していました。アイデアもないまま辛くとてもしんどかったです。しかし一緒に抗議してくださったおかげで、一人で悩むこともなくなり労働問題も勉強することができました。同じようにパワハラや不当労働行為などで悩んでいる人たちに、会社の命令よりも、モラルの大切さや自らの権限を取り戻すべく是非一緒に闘ってほしいと思っています。
私は、現在ストライキ通告をして、出勤していません。会社弁護士から異議を留めてでも良いから、出勤しないかとの連絡もありました。今後は、裁判も視野に入れて闘って行きたいと思います。